管理釣り場でフライフィッシング

東海圏管理釣り場で三十路フライフィッシャーが愛を叫ぶ

フライフィッシングについて思うこと

色々な釣りをしてきたうえで今面白いと感じているのがフライフィッシングです。

ほぼ管理釣り場のみでフライ歴2年と少しの私ですが、思うところがあるので綴っていきたいと思います。



フライフィッシングはキャスティングからタイイングまで独自の技術・言語があり、他の釣りからの転向・流用が利きにくいが故に敷居が高いと思われています。


実際に私も始めてみると「やっぱスローアクションだからタイトループが作りにくくてテーリングしちゃったらウィンドノットができてたよ」だとか「エルクヘアカディスにビーズヘッド仕込んだらフロータントなしじゃ浮かないようになったよ」だとか、ルアー釣りじゃ効かない単語がポンポン出てきます。


医療業界にも医療用語とかありますし、独自の用語を使い続けるとなんだか難しい話をしてるみたいですよね。

そのサジェスチョンにはアグリー出来ません!

みたいな?


まず、道具の転用の利かなさは随一だと思います。

私が管理釣り場で主に使用しているのが9ft#4ですが、#4って多分ルアーロッドだとライトアクション相当なんだろうけど、ガイドとリールシートがルアーロッドとは違う故、ルアー釣りに転用はできないと思います。

出来んことはないけど、ガイドがただの針金だし飛距離が落ちたり巻き取りや手返しが悪くなりそうですね。

また、ルアー用をフライ用に転用するのもまたガイドの関係で難しいと思います。

昔のロッドならいざ知らず、最近のロッドはガイドが小型化してるからラインが通らなさそう。

そしてリールは巻き取りスピード1:1の太鼓リールだし、ラインに至っては完全にフライフィッシング専用です。


でもフライフィッシング以外のタックルはそれぞれ転用はききますよね?

バスタックルでライトタイラバしたり、トラウトロッドでアジングしたり。

ということでよほど好きか金持ちでない限りフライフィッシングに手を出そうと思わない、いや手を出してもフライフィッシングにしか使えないタックルまで揃えないと思うんですよね。


おまけに用語もわけ分からない。

タイイング(毛ばりを巻くこと)のマテリアル(素材)なんかもそうだし、パターン名も多い癖にベースとなる虫も変な呼び方をする。ボウフラをラーバだとかトビケラをカディスだとか。


そして投げ方もヘンテコでルアー釣りや餌釣りの投げ方にはない独特なものです。

釣り場に行っても投げられなければ釣ることすらできないので、技術的な意味で釣りの前準備が必須なのはフライフィッシングぐらいのものです。




ということで新規参入も少なく人口の高齢化も進み、フライフィッシング業界は細々としているのだなぁと思います。

まるで日本の縮図を見ているようです。


というか釣り業界自体が斜陽産業なのでフライフィッシングに限った話ではないと思いますが、定価4万もするロッドが2千円やそこらで投げ売りされている現状を見ても「あ~オワコンってやつだ」と思わざるを得ません。


と、嘆いているふりをして私自身はこの現状が結構好きです。


何故かと言えば前述の通り良い物が安く手に入るからです。

例えば人気のクロステージのアジングモデルなんかは定価1万ちょっとなのに中古市場ではその半額の5000円程度で取引されています。

でもフライフィッシング市場では定価4万のアルトモアが4000円程度、場合によっては2000円ほどでジャンクコーナーに転がっていたりします。

また、かつて憧れであったであろうセージやスコット等のブランドでさえ割安で手に入れられるのですよ!

そしてリールは落とし込みに使われていたであろう物や一昔前の普及品に、Amazonで買える激安ラインとリーダーにフライセットを買ってしまえば1万以内でフライフィッシングが始められるセットが完成してしまうのです!


また釣り場に行っても、人と違うことが好きな私をフライフィッシングは満足させてくれます。

ダイワのウェアに身を包んだいかにも「釣り人」なルアーマンの隣で、スナフキンみたいな恰好をしたフライマンが魚をバカバカ釣ったらと思うとちょっと気持ち良いですね。