管理釣り場でフライフィッシング

東海圏管理釣り場で三十路フライフィッシャーが愛を叫ぶ

ロールキャストとオーバーヘッドキャストのコツ

初心者がフライキャスティングで直面する壁が、ラインコントロールではないかと思います。

特にどのようにロッドを振ればラインが動くかというものが分かりづらく、特にロッドスピードによるラインコントロールは初心者には群を抜いて難しい技術ではないかと思います。



というのも、ロールキャストのバック動作に入る時にラインが全て水面から飛び出してしまってキャストしているのをよく見るからです。

その結果、ロッド側からラインがクシャクシャと着水して距離が伸びない。


原因としてはロッド先端部の「たらし」の短さとバック動作のスピードにあると思われます。

ロールキャストは水面抵抗を利用してロッドを曲げるキャストなので水面にある「たらし」が短かったり、「たらし」をすべて水面から引きはがしてしまうほど強いバックキャストを行っている場合はキャストが成立しなくなります。



この2点に注目して初心者をさらに観察していると、どうやらオーバーヘッドキャストもロールキャストも同じ速度でバック動作をやっていることがわかりました。

オーバーヘッドキャストは自分の上にラインを放り投げる感覚でバックキャストを行うのでラインスピードが高いのは当然です。

しかし同じ感覚でロールキャストを行ってしまうと、足元に貯まった弛んだラインが空中に舞い上がるだけで自分の後方にラインが送られない(直線にならないorループ形成されない)のでバック動作として成立しません。

またこの状態からフォワードキャストに入ると、弛んだラインがフライを水面へ持ち上げてしまい、力がうまく伝わらずに蛇行してラインが着水することとなってしまいます。


ロールキャストはロッドを後方に倒し、自分の後ろにゆっくりと「たるみ」を作って投げるキャストです。

ロッドから出ているラインが4m以上あること・バック動作を焦らない事をコツとして教えたところ、上手にキャストできるようになりました。




さて、ここまでロールキャストの失敗条件を書いてきましたが、オーバーヘッドキャストがうまくいかなくて悩まれる初心者も多いと思います。


オーバーヘッドキャストでのコツは、最初のバックキャストをするときに水面に浮かんだラインが1直線に伸びていること。

これで水面から引きはがす力がロッドに貯まるのでキャストがやりやすくなります。

次のコツは、バック→フォワードとフォルスキャストをするタイミングをフライまでターンするまで待つこと。

実際にはフライがターンする直前がベストですが、初心者の方はリーダーどころかフライラインがターンする前からキャスト方向を変えようとしているので、力がうまく伝わらないようです。

ラインが地面まで落ちても構わんという勢いで一呼吸おいてあげます。

また、その時に糸が伸び切ってロッドを引っ張るのを感じられると上達も早くなると思います。



私のブログは文字だけですので文章で伝えるにも限界がありますが、それぞれのキャストのコツはこんな感じになります。

フライマンが教えるフェザージグの使い方

このところ管理釣り場へ行く機会が多く、更新タイミングが増えております。


さて、今日はフライもルアーもやる私がフェザージグの使い方について偉そうに語りたいと思います。

経験者向けに書くので少し専門用語が出てきます。



まず、フェザージグとは何ぞやという部分から入っていきたいと思います。

フェザー=羽毛、ジグ=ジグヘッドということで、羽毛のついたジグヘッドの事を指します。

直訳すると羽毛のついた錘付き針ですが、羽毛に限らず管理釣り場で実績のあるフライを模したものとなっています。

つまりは、自重を持たせてルアータックルで投げられるようになったフライです。



では、フライタックルでなくルアータックルで使えるようになると何がいいのかと言えば、

・圧倒的に手返しが良くなる

・ラインが細いので操作性がよくなる

・引っ張り感度・フッキング率が上がる

・自重がそこそこ重くなってもキャストできる

・フライタックルを持っていなくてもフライ並みに釣れる


以上がメリットかなと思います。こうしてみるとメリットは多いですね。



逆にデメリットといえば

・ある程度重くないとキャストが出来ない

・ウェイト・ジグの分シルエットが大きくなる

・重いのでドライフライが使えない

・フォールスピードが早い

かなと思います。


メリットに比べればデメリットを少なく感じますが、フライの圧倒的アドバンテージであるシルエットの小ささを武器にできないのは結構痛いですね。

ウェイトを犠牲にすれば沈降速度を抑えられますが、多くのフェザージグは結構早めにボトムに着いてしまう為、ゆっくりフォールする「ナチュラルな誘い」ができないのもデメリットとしてはデカいです。


フライの攻撃力が100だとしたらフェザージグは65くらいに落ちてしまうものと私個人は思っています。

しかし、マテリアルが揺らめいて魚を誘うためハードルアーに比べてフェザージグが釣れやすいのは間違いないでしょう。




前置きがながくなりましたがここからが本題、フェザージグの使い方について。


ここまでフェザージグは大きくて重いフライだという話をしてきました。

ですので、基本的な性格・使い方はフライに似ています。



まずフェザージグにはスナップはつけずにライン・リーダーを直結します。

マイクロスプーンや縦ルアーなどでもおなじみですね。


そして、使用前には水の中で揉んで水を含ませてキャストします。

多分軽めのフェザージグは水になじませないと沈まないでしょうし、含んだ水がキャスト時のウェイト代わりにもなるので大事な工程です。



そしてフェザージグを使うタイミングですが、魚の活性が落ちた時がオススメ。

でも何しても釣れない時に投げるのではなく、スプーン→クランクと試していって、イレギュラーアクション等の反射食いでしか釣れなくなる一歩手前で使いたいです。


キャスト後のアクションを大きく分けるとこんなかんじ。

・スイム(ただ巻き)

・リフト&フォール

・ストップ&ゴー

・ボトムバンピング

・ずる引き(ボトム)

・ステイ(ほっとく)

基本的にアクションで気づいてもらってマテリアルの揺らめきで誘い食わせるような使い方がメインになってきます。



使っているマテリアルの種類によってアクションや揺らめき具合が変わってくるので「これがいいよ!」とは一概には言えませんが、一般的には細長い形状のゾンカーやマラブーを使っているフェザージグはスイム系と相性が良く、エッグ系統等の丸いフェザージグはボトムを絡めたアクションと相性がいいです。


ただし、ルアーマンはフェザージグを必要以上に激しく動かしすぎています。

アテリアルがフックに絡んでしまうし、自然なアピールを求めてフェザージグを使うのですから、なるべくなら動かさずにいるほうがいいと私は思っています。

そんなのルアーフィッシングじゃないと言うなら、フェザージグを使わなければいいんです。


先ほども書きましたが、ボトムを攻めるにはエッグ系が相性がいいです。

エッグ系はダイワのマスの華だとかアラベスクだとかああいう系統の奴です。

エッグ系は抵抗が少ないせいかストーンとボトムまで落ちるので、フォールで誘う感じになります。

俗にいう縦釣りと相性がいいです。



で、アタリなんですがラインで取ります。

フェザージグを使っているのに思った程釣れないのは、アタリがあってもフッキング出来ていない場合が多いと思います。

フライは餌では無いので、アタリに対してアワセを入れないと釣れません。


キャスト後に張らず緩めずのテンションを保ち、そのラインの張り具合が変わったら巻き合わせます。

フェザージグが良く釣れるとは言え、主に活性が落ちた時に使用されるのでアタリも細かいことが多いです。

なので、ラインにしか出ないアタリをとる練習にもなると思います。

これ、管理釣り場でルアーやるなら必須テクともいえるので習得して損はありません。




では、最後に注意点を申し上げます。



釣りすぎ・ルール違反はやめましょう。



フェザージグ禁止の管理釣り場は多く、使える釣り場も限られると思います。

使用禁止の場所で使うことはもちろんダメです。

また、いくら使用OKでもそれで馬鹿みたいに釣るのはマナー違反に当たると思います。

ハードルアーで釣れなくなってしまった、初めて釣りに来たが一向に釣れない、ラインでアタリを取る練習をしたいがまずアタリが出ない、なんて時にルール内で使用するのはありだと思います。



フェザージグはナチュラルな誘いが強みですが、ナチュラルすぎて魚が飲み込んでしまうこともしばしばあります。

その魚にはダメージが残りますので、回復が見込めないようなら逃がさずに持ち帰って自戒の念を込めて食べましょう。

死魚が浮いている光景は美しいものではありませんから。

釣れない時にどうするか

管理釣り場には魚がたくさん放されているものの、それを釣り上げるのには意外とテクニックがいるものです。

いるのに釣れない。見えるけど釣れない。

ただ、少し工夫すると釣れる。

だからこそ多くの人たちが熱中し、企業も新製品をどんどん作り出すのですね。




さて先日の話になりますが、釣行した際に両側を親子連れに挟まれてしまいました。

子供というものは集中力が続かず、チョロチョロ動き回るのでキャストに非常に気を遣うものです。

ですので左右の動向を注視しながら釣りをしていたのですが、そこで左手側の親子が妙なのに気づきました。


固いベイトロッドにスピニングリールをセッティングし、5号程度の極太ラインでスピナーを足元でしゃくっていたのです。

たまにキャストしてみるもひどいライントラブルを起こし、その度に糸を解いていました。

また、そのキャストも芸能人持ちにおっさん投げと非常に強烈で、釣りに集中するどころではなくなってしまいました。


挙句の果てはトリプルフックのスピナーにするめを取り付け始めたのです。

もうなんというか、何から何まで間違っているのでルール違反に声を掛ける気すらなくなってしまいました。



当然ながら目の肥えた管理釣り場のマスたちに相手されることもなく、ついに私がその親子が魚を釣るところを見ることはありませんでした。



その親子はしきりに「釣れないね」「餌がついていないから釣れないんだ」という旨を話していましたが、仮にその道具にイクラをつけたとしてもあまり釣れないでしょう。

恐らくですが、この親子はサビキ釣りしかしたことが無いのではないでしょうか?


釣れない時には「何かおかしいぞ?」「こうしたら釣れるかな?」「あの人はこうやって釣ってたから自分もやってみよう」という工夫や観察が必要になります。

人間が思っているほど魚は馬鹿ではありません。



創意工夫を抜きに楽しめるほど管理釣り場での釣りは甘くないと思います。