管理釣り場でフライフィッシング

東海圏管理釣り場で三十路フライフィッシャーが愛を叫ぶ

マーカーに求めるもの

私はマーカー(浮き)が水中に消し込む様子が好きで、ほぼルースニングでフライフィッシング。しています。

フライ用のマーカーは普通の餌釣り用のマーカーと違って、両側で固定したりフワフワとしたワタで出来ている物があります。

それはどうしてなのでしょうか?

普通の浮きではダメなのでしょうか?



フライを始めた当初、そのようなことを疑問に思ったのと価格が高いと感じていたので、実際に市販の玉ウキをゴム管でティペットに取りつけて使ってみたことがあります。


その結果は恐らくご想像の通りなのですが、ゴム管にティペットが絡みついてライントラブルが起きたり、キャスト中に石にぶつかって玉ウキが割れたりと、トラブル続きで釣りになりませんでした。


これらの原因はフライ独特のキャストにあります。



餌釣りは振り込むようにキャストしますが、対してフライは仕掛け全体がターンするようにキャストしています。

このターンする際にラインが交差し接触してしまうと、ライントラブルが発生するようです。


それを避けるために、専用のマーカーはそろばん玉のような形をしていたり、いなしやすい繊維を取り付けるのだと分かりました。

また固いマーカーは発泡素材で出来ており、多少ぶつけたくらいでは浮力を失わないようにしているようです。


さらに玉ウキを使用してキャストするとラインが突っ張るような感覚があり、いつも使っているマーカーよりも重く感じました。



というわけでフライのマーカーには

・キャスト中のトラブルを防ぐ

・衝撃に強い

・軽い

この3つの要素が求められていることが分かりました。


さらに突っ込んで言うならば、ドライフライからの移行がスムーズにできるように着脱を楽にしたいという点もあるでしょう。



それらを踏まえたうえで私が導き出した最良の答えは

・PEラインにシモリ玉を多数つけたマーカー(ラインシステム)を作る

でした。



上記の3要素をクリアできるのはもちろん、感度が良いのが一番の強みです。

フライの自重でシモリ玉が1~2個沈むように調整しておけば、食いあげるアタリにも対応できるのです。


また、普通のマーカーだと微振動するだけの細かいアタリにも沈んだシモリ玉が大きく反応するので積極的にかけていけます。

また、シモリ玉の色を多少変えておくことでシステム全体の向きや横に動くアタリも分かるため、非常にメリットが大きいシステムだと自負しています。


長さは20cm程度にしたPEライン(最近は鮎釣り天井糸)の両端にループを作り、3~5個のシモリ玉0~3号を固定しています。

接続方法はループtoループで、それぞれフライライン・ティペットに接続しています。



ただこのシステムにも弱点があって、ティペットを直接接続している関係上、タナ下がティペットの長さに依存してしまう事(調整が面倒くさい)と、リーダーが無い分オーバーターンを起こしてしまい、着水のインパクトが大きい点です。

あまりにも活性が低い時に浅いタナを狙う場合は魚を散らしてしまう事があります。


また、ドライフライに変更しようとするときはシステム一式を交換する必要がある為、ゴム管を使用するマーカーと比較して手間がかかります。



ただ、ある程度熟知した釣り場のルースニングで1日フライフィッシングをする人にはオススメのマーカーですので、ぜひ試してみてください。

ランディングでみる上手下手

他人の釣りを見ていて「上手だな」と思える人は魚をたくさん釣っているだけでなく、その行動が流麗であるかというのもポイントになります。


たくさん魚を釣っている人でも魚に対する態度が雑だったりすると、上手というよりもせっかちな人のイメージが強くなります。

また魚があまり釣れていなくとも、丁寧に魚を扱っている人は釣りが好きなんだな、という良い印象を与えます。


魚を扱う中でも魚をネットに入れるランディングという動作は、「上手」かどうかを見る大きなポイントになると私は思っています。



管理釣り場へグループで来たうちの一人に大物がかかった際、親切心か友人がネットインを手伝っている光景をしばしば目にします。

しかし大概の人は岸によってきた魚に被せるようにネットを入れる為、魚を暴れさせてしまいます。

その結果、魚を逃がしてしまうのを幾度となく見てきました。


すこし前の記事に書いた通り、ネットは水面で保持して、そこに滑らせるように魚を入れてあげるのがスマート且つ、無駄に魚を暴れさせることがないので良い方法です。



金魚すくい等で経験がある人も多いと思いますが、魚は急な動作に驚くものです。

タライの前で座ったり立ったりするだけで魚が逃げたり暴れたりするので、少し待って落ち着かせてから掬うとうまくいくことも多いです。


釣りにおいても同じで、釣り人側が大きく動かずにロッドを使ってネットに誘導してあげるだけで、ランディングはグッと楽になります。

魚をネットイン直前でバラして(逃がして)しまったりすることが多い人はネット動作含め、魚に急な動きを見せていないでしょうか?



また、魚を寄せる際には水面を滑らせるようにロッドを動かすのも一つのポイントです。

この動作を行うためには、魚の顔が水面から出ている必要があります。

魚には申し訳ないですが少し空気を吸って酸欠状態になってもらい、動きを抑制することも上手なランディングに必要なことだと思います。

ルアー釣りでいうゴリ巻きがバラしの原因の一つであるのは、魚を十分に弱らせていないのが原因です。



魚を釣るという作業は意外と注意点が多いものですが、ランディングは最後の重要事項です。

ここで悔しい思いをすることが無いようにしたいですね。

また、「上手な釣り人」がもっと増えることを心から願っています。

ルアーとフライはATとMTの関係?

常々思っていることなのですが、ルアーフィッシングは道具の性能に釣果が左右される釣りです。

リールの巻きやドラグ性能、ラインの細さと強さ、そしてルアーそのものの性能。

それらが良くて初めて魚が釣れる釣りだと思います。



対してフライフィッシングは使うタックルはそれなりでよく、時には「こんな適当に巻いたフライで?!」と思うようなフライでも釣れてしまいます。

しかし、独特なキャスティングや魚とのやり取りの末の釣果は個人の技量にかかっていると言えます。



私は車はMT派なのですが、ルアーとフライの対比は車のミッションと同様なのではないかと思います。


AT、つまりオートマは機械が変速機とクラッチを動かしています。

対してMTはクラッチ操作とギアの選択はドライバーにゆだねられています。

MT車を上手に走らせるには個人の技量が必要なのはフライにも共通していることではないでしょうか?



また、近年の技術の進歩は目覚ましく、MTの必要性がなくなりつつあります。

日本人の免許取得の6割以上がAT限定免許で、新車販売の98%はAT車ということだそうです。

フライ人口が年々減少していると聞きますが、管理釣り場におけるルアー:フライの比率を見ても同じようなことが言えるのではないでしょうか?



ルアー釣りしかしない人の立場からしたら、フライはよく釣れて楽な釣りだと思われているかもしれません。

しかし、それなりに釣っている人はティペットのチェックやフライの選択、フロータント頻度やキャスティング等に注意を払っているものです。

何より、その注意を払うことが楽しいと思える人がフライフィッシングをやっているのだと思います。


MT車もAT車しか乗らない人からしたらクラッチ操作とギア操作は無駄なことのように思えるでしょうが、その無駄なことを楽しいと思えるのでMT車に乗っています。



世の中は効率やコスパだとかがもてはやされる時代ですが、削ぎ落される無駄にこそ楽しみがあるものと私は思っています。