管理釣り場でフライフィッシング

東海圏管理釣り場で三十路フライフィッシャーが愛を叫ぶ

ルアーからフライに転向して感じた違い(タックル編)

私は元々海で投げ釣りをしたりするのが好きで、友人に誘われて管理釣り場でのルアーフィッシングを始めました。

そこからさらにフライフィッシングに転向した訳なのですが、、、

ルアー釣りからフライフィッシングに転向して気をつけるべき点?というか価値観的に違う点や用語の説明を書いていきたいと思います。




~タックル編~


・フライについて

まず初めに書きますが、フライは消耗品です。

ルアーは失くすと結構落ち込みますが、フライをロストしてもそこまで気に病むことはありません。

木に引っ掛けたり、フッキングした時にラインが切れてしまったり、フライを巻き止めてある糸がほつれて壊れてしまったり、、、割と壊れたり失くなったりします。

ただ、精魂込めたフライってのもたまに作るのでそういう物をなくすとちょっぴり落ち込みます。

ただ消耗品ということは壊れたり無くなる前提で同じものをいくつか用意しておかないと、釣り場で投げるフライがなくなって困ることになります。

また、フライは直接ティペットに結びます。

面倒ですが、フライを失くすときは大抵ティペットから切れるのでスナップは不要ですし、フライのアイに通るような細いワイヤの製品もなかなかないと思います。

また、自分でフライを作るようになってくるとシルエットやウェイトも大事にするようになってくると思いますので、それらを乱すスナップの存在は頭から消えました。



・ティペットについて

ティペットは魚とリーダーを接続するラインで、これも消耗品になります。

キャストの際にどこかに擦れたり、魚の歯に当たったりして意外とすぐにボロボロになります。

キャストする度とは言いませんが、魚を釣った後等に傷がついていないか確認して傷ついていたら切り落としたり交換しましょう。

フライを失うも合わせ切れさせるもティペットのチェックにかかっていると言っても過言ではありません。

フライの項にも書きましたが、フライをティペットに直接結ぶのでフライを交換するたびにティペットはどんどん短くなっていきます。

またティペットがあまりにも短くなると、とたんに魚が釣れなくなりますので、必ず長めに接続しておきたいものです。



・ラインについて

フライラインは管理釣り場でのルアー釣りと比べると恐ろしく寿命が長いです。

管理釣り場で使うナイロンラインは早い人だと1回釣りに行くごとに巻き替えている人もいると聞きます。

フライラインはメンテナンスをしっかりしていれば例え激安品だとしても1年以上使えると思います。

ただ、古くなってきたラインは浮かなくなったり表面のPVCコートが剥げてしまったりするので、そうなったら交換するしかありません。

釣行後はよく乾かしてラインクリーナーやラインドレッシングでメンテナンスし、たまには中性洗剤で洗ってあげてください。



・フライリールについて

リールはルアー釣りでは巻き心地や飛距離・ドラグ性能等で釣果が変わるタックルですが、管理釣り場でのフライフィッシングにおいては使わないラインを収納しておくだけの道具なので、釣果に影響はありません。

釣果に関わることがあるとしたらリールの直径に起因するラインの巻き癖です。

リールの直径が小さいと巻き癖きがキツくてつきやすいので、最近はラージアーバーと言われる直径の大きなリールが人気のようです。

因みに、ラインはリールから直接ラインを投げたい距離だけ引っ張って引き出します。

魚を釣った際もラインを直接手繰り寄せますので、リールの出番はありません。(次回にキャストしにくい為、リールにラインをしまいません)

もし不意な大物がかかった際には足元に置いている余ったラインをすべて巻き取ってから、リールのドラグを使って釣ること(リールファイト)もありますが例外だと思っていただいて大丈夫です。



・薬剤について

ちょっと乱暴なまとめ方ですが、フロータントと呼ばれるフライを浮かせる薬剤や逆に沈ませる薬剤があり、これを釣り場でも使用します。

浮かせるフライは多くが浮きやすい素材で作られていますが、その多くは自然素材でできていますので、長時間浮かせていたり魚に食われて粘液がついたりすると吸水して浮かなくなってしまいます。

そこで、浮かせる為の専用の薬剤があります。

また、ラインも吸水しますのでラインにもフロータントが必要になってきます。

フライフィッシングは小道具が色々と必要なのですが、やるとやらないとでは釣果が違ってきます。

ある程度魚を釣れるようになってきたら快適に釣りをするために必要になってくる道具です。



・ラインカッターとフォーセップ

多分この二つは釣行中に一番触る小道具なのですぐ手にできる場所にぶら下げておきたい道具です。

ラインカッターはその名の通りラインをカットするもので、小型の爪きりのようなものが使いやすいです。

フライのアイが接着剤などで詰まっている場合もあるのでニードル(針)がついているものがあるといいですね!(無ければ最悪別のフライのフックでもなんとかなりますが貫通力が鈍るのでオススメしません。)

ラインカッターはフライを交換するときやティペットを継ぎ足したりする時、もしも魚が釣れなかったとしても一番使う頻度が高い小道具かもしれません。

フォーセップは鉗子ともいわれています。手術具ですね。

ハサミの先端がピンセット状になっており、これで釣り上げた魚からフライを外します。

フッキングが遅れると飲まれることも多いですし、体温の低いトラウトは人間の肌に触れるだけで火傷を負います。そんな時に魚に触ることなくフライを魚から外すことができる道具は必須です。

リリーサーでホイっと外せるルアーとはちょっと違いますね。

管理釣り場でのフライフィッシングで釣果を伸ばすために③

前記事の続きです。



・実際の流れ(ルースニングの場合)

①まず周囲の安全確認をしてラインが1直線に伸び切るようキャストします。

②フライが沈降を始めたのを確認しながら、マーカーが動かない程度にラインを引っ張ってスラック(弛み)を取ります→マーカーが動いたら⑤へ

③フライが沈降しきってから10秒ほど様子を見て、マーカーが波紋をたてて動くくらいラインを引きます。→③の動作以外でマーカーが動いたら⑤へ

④また10秒ほど様子を見てマーカーが動くくらいラインを引き10秒程様子を見ます。→釣れなかったら①からやり直し→ マーカーが動いたら⑤へ

⑤ラインを勢い良く引きながら竿を立てて毛ばりを魚にフッキングさせます。→釣れなかったら①からやり直し →釣れたら⑥へ

⑥右手で竿とラインを握りこんで、もう片方の手でラインのみを引っ張って魚を自分の方に寄せてきます。

⑦魚が自分に十分近づいたら左手で水面近くに網を構えて、右手(ロッド)で水面を滑らせるように魚をネットに誘導します。

⑧ネットに魚が入ったら一連の流れは終わりです。



・コツ

管理釣り場でフライフィッシングをするとぶっちゃけ釣れすぎるほど釣れます。

もし釣れないとしたら

①アタリをマーカーに出せていない

②アタリを合わせていない(合わせられない)

③魚がそのフライに興味がない

④そもそも魚がいない

のいずれかに該当すると思います。


そして、この中で多いのが恐らく①だと思います。

釣れないフライ人を見ていると、キャストした後ラインをくしゃくしゃにしたままにしている人が多いです。

渓流釣りでは川の流れに自然にフライを流すことが重要なので割と弛ませたままにしていますが、管理釣り場の魚達は賢いので弛んだままでは実際の80%以上のアタリはマーカーに出ません。

細かいアタリをしっかり拾ってフッキング出来るように常に竿~ライン~ティペットは張ったままにしましょう。

まだ細かい注意点がありますが、それはおいおい説明していきたいと思います。


そしてせっかくアタリがあっても②のように合わせていない人も意外と多く見られます。

ここまで再三言ってきているようにマーカーにアタリを出すことに苦心しているのですから、鯉釣りのようにマーカーが沈みきるまで待たずに、少しでもマーカーが動いたらフッキングさせることが必要です。

マーカーが沈みきるまで待っていたらスレた魚が多い場所ではいつまでたっても釣れませんし、やる気のある魚が多い場所ではフライを飲み込まれてしまいます。

また、風や波とは違う魚からのサイン・マーカーのわずかな動きを見極められるようになるとグっと釣果が上がると思います。

そのためにはマーカーの浮力・フライの重さ・ショットの重さなんかも考えてシステムを組んでください。


③の場合は少し難しいです。

それはフライを追いかけてきて反転してしまう場合だったり、フライ自体におびえているようだったりする場合で、何かもうワンアクションあれば釣れるというシチュエーションもきっと多いと思うので、創意工夫を凝らして釣っていただきたいと思います。

一番良いのはフライ自体を変えてしまう事です。

サイズ・カラー・シルエット・沈降速度・・・色々変える候補はあります。

私はそのフライで釣れなくなったら10分を目安に交換しています。

何度も言いますが、管理釣り場でフライフィッシングは本来釣れすぎるほど釣れてしまうものです。

釣れない時こそ釣り人から何らかのアクションしていただきたいと思います。


また、④のように魚がいない場所に投げても魚は釣れません。

また、それはタナにしても同じ事です。

魚が見えるような透明度の高い釣り場は別ですが魚が見えない濁った釣り場でも、魚がいそうな場所・タナを見極めて仕掛けづくり・キャストをしていけば必ず釣れるはずですし、そういった試行錯誤の経験は必ず自分のスキルアップにもつながっていきます。



ちょっと盛沢山になってしまいましたが、最後まで読んで実践できるようになればきっと釣れなくて嘆くこともなくなると思います。

管理釣り場でのフライフィッシングで釣果を伸ばすために②

前記事の続きです。



・キャスティング

フライキャスティングは楽しいもので、投げられるようになると「もっと遠くにもっと遠くに」と遠投しがちですが、意外と魚は岸近くにいるものです。

管理釣り場の場合、10m以内で釣れることがほとんどです。

キャスティングには色々ありますが、その説明はここでは割愛します。

管理釣り場でのキャスティングのキモは、ルースニング(浮き釣り)をする場合はフライとマーカー(浮き)を一直線に伸ばした状態で着水させることです。

魚影の濃い釣り場では着水~タナ(狙った水深)に到達するまでの間にアタリ(魚が針を咥えたサイン)が出ることがほとんどで、動かないフライに興味を示さない場合も多いと思います。

そんな時は沈んでいくフライのアタリを取ることが大事になってきますが、

フライはとても軽いので糸が弛みやすく、マーカーにアタリが出ないことも多いです。

そこで、マーカー・フライ間の糸の弛みをなくすことでなるべくマーカーにアタリを出せるようにすることがポイントになってきます。

また、フッキング(釣り針を魚の口に貫通させること)動作が最大限に行えるようにキャスティング後はロッドの先端を水面まで下げておくこともポイントになります。



・フライ

私はルースニングメインでエッグフライとマラブーバグ、それにモワッとしたシルエットのニンフを主体に使っています。

各々サイズや重さを変えたものを作っていますが、まずは#12と言われるサイズのフックに糸鉛を6巻きほど巻き、マラブーを30本程巻いたマラブーバグがあれば釣りになると思います。

マラブーバグはマラブーで箒のように巻いたフライで、簡単に作れるので最初のフライ作りにはオススメの1本です。

色は色々ありますが、オリーブ色が飽きられにくくてオススメです。

タイイング(フライを作ることをこう言います)に慣れてきたら色々作ってみてください。

ドライフライはハックル(毛鉤らしいモサモサの羽)を巻いただけのダンと呼ばれるフライが良く釣れます。

多くの管理釣り場でユスリカが湧いていると思いますので、それらを模したフライは釣果が期待できます。

フックはサイズが大きいと活性が高い場合は針掛かりしやすいですが、魚がスレてくる(釣れにくくなる)と小突くように咥えてくるので、フックが小さい方が有利になります。

また、フライはルアーに比べて自重が軽い為ばらし(魚を釣り上げる前に逃げてしまうこと)が少ないです。

ですので、フックにカエシは不要です。

多くの管理釣り場でバーブレスフック(カエシの無い釣り針)使用がルールになっていますので、バーブレスフックを使用してフライを巻きましょう。



・タナ

釣り用語では水深のことをタナと言います。

多くの管理釣り場では水に流れを作っていたりするのでマーカーが流されたり、フライが流されたり、風でマーカーが流されたりと、マーカー~フライの位置関係が水面に対して垂直にならないため、マーカー(浮き)~フライ=水深でないことが多いです。

私はよほどシビアな管理釣り場でない限り1ヤビキ(100cm強)をタナの目安にしています。

実際にアタリが出る水深は20~60cmくらいだと思いますが、キャスティングの項目でも挙げたようにマーカー~フライ間の弛みをなくすことでフライが落ちていく最中のアタリも逃さず釣れます。

また、フライと釣り合いの取れた高感度なマーカーを使うこともポイントです。

また、深いタナを狙う場合にはフライを重くしたりティペットにショット(ガン玉と言われるおもり)を使うことでマーカーにアタリを出しやすくなります。



・アタリ~フッキング~取り込み

管理釣り場のメインターゲットであるニジマスは泳ぎ回って餌を咥えるように捕食します。

対して浮き釣りでよくターゲットにされる鯉は、あまり動かずに離れた場所から吸い込むように餌を捕食します。

鯉は浮きが沈み切ってから合わせていきます。なぜなら、離れた場所にいる鯉が針を吸い込むには浮きが移動する時間が必要だからです。

しかし泳ぎながら咥える→離すという捕食行動を取るニジマス相手には沈みきるまで待っていられません。

なぜならニジマスが違和感を感じて口から針を離すまでコンマ3秒だと言われています。

つまり浮きが沈み切った時には、既にフライを口から離している可能が高いということです。

ですので、アタリが出たら即合わせ(フッキング)が基本になります。

そして細かいアタリを拾い、しっかりフッキングさせるにはライン~リーダー~ティペットが弛んでいないことが何より大事になってきます。

フッキング動作は左手で素早くラインを引き、右手で竿を立てるようにします。

この時、ガツンと衝撃が来ればしめたもの。しっかりフッキングさせることができた証です。

しかし、フッキングが強いとティペットが切れてしまいますので、素早くかつ適切な力加減を練習してください。

初心者のうちはこのフッキングもなかなか難しいものだと思いますし、こればかりは魚が相手をしてくれないと練習もできないものですから、なるべく魚が多くいる管理釣り場でたくさん魚を釣ってみてください。

取り込み(魚が釣れてから手元に寄せること)はラインを引っ張って手繰り寄せ、最後は片手に持った網で魚を掬います。

そのためには右手で竿と一緒にラインをつかみ、右手~リールの間にある糸を引っ張る動作が必要になります。

もし想定外の大物がかかってしまった時は糸をリールに全部しまってから、リールに搭載されているドラグを使う方法もありますが、ここでは割愛します。

また、最後に魚を網ですくう時は網は動かさずに、網に魚を誘導させるように竿を動かすほうが魚が暴れずにスムーズに取り込めます。

最後の最後に魚が逃げてしまっては気分も落ち込みますので、スムーズでスマートな取り込みを心掛けたいですね。